2022年11月09日

でくのぼう


木偶乃坊こけし

南部系 キナキナこけし
煤孫盛造 6寸




外套に帽子をかぶった宮沢賢治の姿

岩手県花巻の伝統こけしと郷土の偉人の姿が融合する

作者は南部系キナキナこけし工人の煤孫盛造(すすまごもりぞう)

名付けて「木偶乃坊(でくのぼう)こけし」

宮沢賢治の詩「雨ニモマケズ」でお馴染みのデクノボー(木偶の坊)

木偶の坊とは、人形・あやつり人形・役に立たない人・気のきかない人を意味する

又、東北地方ではこけしを「でくのぼう」と呼ぶこともある

花巻農学校教諭時代の宮沢賢治の写真が残されている

帽子をかぶり田の中に立ち地面を見つめる姿

その賢治の姿を表現したロクロ木地のオブジェ

煤孫こけし三代目煤孫盛造が考案した新意匠のデザイン

花巻の風土と伝統の匠の技が生み出す郷土色豊かな素朴なこけし

本こけしは山梨材を使った17.8cm(6寸)の作品


「煤孫こけし」は祖父茂吉、父実太郎、私盛造と三代にわたって伝承されてまいりました。このこけしは、伝統こけし南部系(花巻系)に属し無彩色で頭がクラクラ動くのを特徴としております。
昔、乳児のおしゃぶりとして与えれていた、頭が小さく胴の下部がくびれたこけしをはじめ胴の上部がくびれたこけし等を造っております。また、牡丹の花を絵付けしたこけしもございます。これらのこけしは、この地方でキックラボッコキナキナボッコの方言で呼ばれております。
材料は、主にコサンバラ(モチノ木科アオハダ・白い木目の見えない木)を使用します。その他ケヤキ・エンジュ・タモ・サクラ・ヤマガ・クワ等を使います。木目の美しいケヤキなどを使用したこけしは、頭と胴を一本の木から作りますので木目がピッタリと合いますように造って居ります。
この「木偶乃坊こけし」は岩手の山々に育まれた木々を素材にして造られております。木々の種類により木肌の色合い木目の違いがありますので一つ一つこけしの雰囲気が異なっております。このこけしにそれぞれの賢治の世界を想い描いて楽しんで頂ければ幸いと存じます。
-「工房 木偶乃坊」HPから-



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