2012年06月27日

第29番 松尾寺


西国三十三ヶ所 第29番札所 松尾寺




青葉山 (あおばさん)  松尾寺 (まつのおでら)

〔所在地〕 (丹後國) 京都府舞鶴市松尾532

〔宗派〕 真言宗醍醐派

〔開基〕 威光上人 (いこうしょうにん)

〔創建〕 和銅元年 (708)

〔御本尊〕 馬頭観世音菩薩

〔御真言〕 おん あみりと どはんば うん はった そわか

〔略縁起〕 丹後の国と若狭の国の境にある青葉山は標高699m。 若狭側から望見すれば、その秀麗な山容から「若狭富士」とも呼ばれ、古くは修験道修行の場となっていた。
 縁起によると、慶雲年中(704~708)、唐の僧、威光上人が中国の馬耳山の山容に似た当山に登り、松の大樹の下に馬頭観音を感得し、草庵をを結ばれたのが始まりと伝わる。 和銅元年(708)、その霊験を伝え聞いた元明天皇が藤原武智麻呂に命じて馬頭観世音を刻ませ、本堂を建立させた。
 また若狭の漁師が海難に遭い、馬頭観世音の化身という流木に救われ、その木で刻んだのが現在の本尊との説もある。
 爾来、今日まで千三百年を経ているが、その間、元永2年(1119)には、鳥羽天皇の行幸があり、寺領四千石を給い、寺坊は六十五を数えて繁栄した。 当地方唯一の国宝の仏画も、美福門院の念持仏であったといわれる。 その後、度重なる火災にあったが、その都度、細川幽斉や京極家によって復興され、現在の本堂は、牧野英成により享保15年(1730)に修築されたもの。
 松尾寺の本尊は、西国三十三霊場中唯一の馬頭観世音菩薩像であり、農耕の守り仏として、或いは牛馬畜産、車馬交通 、更には競馬に因む信仰を広くあつめている。


              本堂                         山門 (仁王門)












        大師堂                 鐘楼                六所神社



        地蔵堂               一切経蔵            青葉山妙理大権現






    御本尊 (秘仏)     馬頭観音坐像
 御本尊は西国三十三ヶ所霊場中唯一の馬頭観音像である。 威光上人が松の下で感得したという像を胎内に納め、正暦年間に観音の加護で海難から救われた漁師・春日為光が造立したという。
 本尊によく似るといわれている御前立は馬頭観音像としてはいちばん典型的な三面八臂。 坐像は比較的珍しく、片膝を立てた輪王坐をとる。 御前立は寄木造、玉眼嵌入で像高98.5cm。 鎌倉時代の制作と思われる。





                   納経帳
 〔御墨書〕   「奉拝」
          「馬頭尊」
          「松尾寺」

 〔御朱印〕   「西國第廿九番」
      蓮華台の下に「丹後松尾寺」
      蓮華宝珠の中に馬頭観音の種子 「カン」
          「青葉山松尾寺」




馬頭観音の種子 「カン」




「若狭富士」とも呼ばれる青葉山




      そのかみは  幾世経ぬらん  便りをば
                        千歳もここに  まつのおのてら




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