2013年08月01日
第23番札所 佐白観音
坂東三十三ヶ所 第23番札所 佐白観音
佐白山 (さしろさん) 正福寺 (しょうふくじ) (旧観世音寺) 通称 佐白観音
〔所在地〕 (常陸国) 茨城県笠間市笠間1056-1
〔宗派〕 高野山真言宗
〔開基〕 粒浦氏 (つうらし)
〔創建〕 白雉2年 (651)
〔御本尊〕 十一面千手観世音菩薩
〔御真言〕 おん ばざら たらま きりく
〔略縁起〕 『佐白山縁起』によれば、白雉2年(651)この土地の狩人粒浦氏が白馬・白鹿・白雉がその傍らで護る霊木をもって千手観音像を仏師に刻ませ、安置したのがこの寺の創始と伝わる。 白馬・白鹿・白雉に因み山号を「三白山」としたという。 孝徳天皇の勅願所となり、平安・鎌倉時代には関東における有数な霊場になっていた。
建保2年(1214)、笠間氏の焼き討ちにあい焼失したが、その後笠間氏の帰依を得て笠間城内に観音堂を再建し、六ヶ坊を建て「佐白山」の山号に改められた。
その後笠間氏の衰退とともに寺運も衰えた。 天正18年(1590)、宥明によって再興され勝福寺と改められたが、江戸時代に入り貞享3年(1686)に正福寺となった。
明治初年の神仏分離に伴う廃仏毀釈により焼失して衰微し、本尊をはじめとする仏像などは散逸してしまったが、昭和5年に現在地に仮の本堂が建てられ、昭和59年3月に「観世音寺」と寺号を改められた。
現在の寺号は平成24年9月18日付けで、古より続く「正福寺」という名称に変更され、宗派も真言宗に改められた。
御本尊の御影
御住職の法話
すばらしい方にお目にかかる巡礼の旅 観世音寺前住職 天津忠興
「お観音さまへの巡礼って何ですか?」
こんな質問に、
「すばらしい方にお目にかかりに出る旅ですよ」
と答えます。
世にもお優しく美しいお姿で、三十三もの手だてを立てて人々をお導きお救いくださるすばらしい方にお目にかかるのですから、写経をさし上げる、せめて読経をしてご印をいただくようにと申し上げている毎日です。
生きていく上には、さまざまな喜びや悲しみに出会います。 お観音さまはそのお胸の中に、限りない人々の喜びや悲しみを優しく受けとめられ、喜びの中にいる人には感謝の心を持つように、悲しみの中にいる人には生きる勇気を持つように導き続けてこられた、そういう方がお観音さま・・・・・・。 このように思いいたる時、お観音さまの前ではたいそうすなおな心になることができます。
巡礼の旅を通して、日頃の暮らしや生き方をもう一度見なおしてみたいものです。
-『板東三十三所観音巡礼』から-
納経帳
〔御墨書〕 「笠間」
「千手観世音」
「佐白山」
〔御朱印〕 「坂東二十三番」
「佛法僧寶」
「正福寺印」
千手観音の種子「キリク」
夢の世に ねむりもさむる 佐白山
たえなる法や ひびく松風
この記事へのトラックバックURL
http://manyuuki.mediacat-blog.jp/t92779