2011年08月26日

第87番 長尾寺


四国八十八カ所 第87番札所 長尾寺




補陀洛山 観音院 長尾寺 (ながおじ)

〔所在地〕 香川県さぬき市長尾西653

〔宗派〕 天台宗

〔開基〕 行基菩薩

〔本尊〕 聖観世音菩薩

〔真言〕 おん あろりきゃ そわか

〔略縁起〕 のどかな田園を抜け、小さな町の通りに入ると、大きなわらじが奉納された仁王門が見えてくる。 長尾寺は地元の人から「長尾の観音さん」と親しまれているほか、源義経の側室・静御前が出家した寺としても知られている。 行基菩薩が道ばたの柳の木で本尊を彫り、御堂を建てたのがはじまり。 その後に弘法大師が訪れ、年頭7夜にわたって護摩祈祷を行っている。 このとき人々に護摩符を授けたことから、「大会陽福奪い」という伝統行事が生まれ、今も正月の風物詩となっている。 大師は唐から帰国後に再び足を運び、大日経を書写した供養塔を建てている。 以後、厚い帰依をうけたものの天正の兵火で焼失し、再建後に「観音院」、さらに江戸時代には「長尾寺」お改められた。 宗派は時代とともに2度改められている(法相宗→真言宗→天台宗)。 長いお遍路の旅路も、いよいよ次が結願の札所となる。
-『ドライブお遍路』から-



              本堂                           大師堂











        薬師堂                 東門              静御前剃髪塚




重要文化財 長尾寺の経幢二基
 経幢(きょうどう)は中国で唐から宋時代に流行したもので、わが国では鎌倉中期ごろからつくられ経文を埋納保存する施設、あるいは供養の標識として各地に建てられるようになった。 この形式に単制と複制とがあり単制はこの経幢のようなもの、複制は幢身の上部に中台や龕(がん)部があって灯篭ふうになったものである。 この経幢は凝灰岩製で基礎の上に面取り四角柱の幢身を立て、その上に重厚な八角の笠と低い宝珠をのせたもので東側のは弘安九年五月、西側のは弘安六年七月の銘があり一基ずつ相ついで奉納されたことがわかる。 昭和二十九年九月十七日重要文化財に指定された。
  平成二十年十二月
   香川県教育委員会  さぬき市教育委員会  さぬき市文化財保護協会
-長尾寺境内案内板から-



        あしびきの 山鳥の尾の 長尾寺
                         秋の夜すがら 御名を唱えよ




この記事へのトラックバックURL

http://manyuuki.mediacat-blog.jp/t70159