2012年02月15日

第8番 長谷寺


西国三十三ヶ所 第8番札所 長谷寺




豊山 (ぶさん)  長谷寺 (はせでら)

〔所在地〕 (大和國) 奈良県桜井市初瀬731-1

〔宗派〕 真言宗豊山派 (総本山)

〔開基〕 徳道上人 (とくどうしょうにん)

〔創建〕 朱鳥元年 (686)

〔御本尊〕 十一面観世音菩薩

〔真言〕 おん まか きゃろにきゃ そわか


本堂 (国宝)




〔略縁起〕 長谷寺の起源は天武天皇の朱鳥元年(686)に遡る。 寺所蔵の国宝「銅版法華説相図」の銘文に、その年、道明上人が飛鳥浄御原の天皇の病気平癒を祈ってこの銅板を造らせたとある。 方形の銅版の中央に多宝塔、周囲に三尊仏、七尊物、千仏などを浮き彫りにしたレリーフは、白鳳美術の名品である。
 その後、神亀4年(727)に西国三十三所の創始者、徳道上人(とくどうしょうにん)が十一面観音菩薩像を安置し、観音霊場として多くの人々から篤く信仰されるようになった。
 『源氏物語』・『枕草子』・『今昔物語集』など平安文学に「初瀬詣で」がしばしば紹介され、清水寺や石山寺と並んで賑わった様子が描かれている。
 伽藍は斜面に広がり、仁王門を入ると長い登廊が山腹の本堂へ通じている。 屋根付きの回廊形式で長さ200m、399段。 天井からは長谷型灯籠が下がって風情もひとしお。 本堂の正堂(内陣)は間口九間、奥行き五間。その前に礼堂を設け、表は広々とした舞台造り。 木造建築物としては東大寺大仏殿、吉野山蔵王堂に次ぐ規模という。慶安3年(1650)に徳川家光が再建したもので国宝。


        愛染堂               一切経堂              三部権現社



         登廊                 五重塔              普門院不動堂





       御本尊  十一面観音菩薩立像  -重要文化財-
 木造  像高1018cm   天文7年(1538)
 木像としては日本最大級の巨像である。 蓮華座ではなく盤石に立ち、観音を象徴する蓮華の入った水瓶を左手に、地蔵菩薩の持物、錫杖を右手にし、観音と地蔵の徳を併せ持つとされる。 長谷観音がきわめて篤く信仰されたため、この特異な観音像は全国的に広まり、「長谷寺式観音」という仏像の1ジャンルを形成している。
 この観音像は、神亀4年(727)に徳道上人によって造立されたが、平安時代に火災によって焼失し、以後7度も再興と焼失をくり返し、現在の像は8代目である。 4度目の再興を快慶が手がけており、現在の安定感のある穏やかな姿も、どこか快慶の作風を受け継いでいるようにも感じられる。





納経帳

 〔御墨書〕   「奉拝」
          「大悲閣」
          「長谷寺」

 〔御朱印〕   「西國第八番」
       蓮華宝珠の中に十一面観音の種子「キャ」
          「長谷寺本堂印」





十一面観音の種子 「キャ」




         いくたびも  参る心は  はつせ寺
                          山も誓ひも  深き谷川





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