2012年03月16日

第12番 岩間寺


西国三十三ヶ所 第12番札所 岩間山 正法寺




岩間山 (いわまさん)  正法寺 (しょうほうじ)    通称 岩間寺 (いわまでら)

〔所在地〕 (近江國) 滋賀県大津市石山内畑町82

〔宗派〕 真言宗

〔開基〕 泰澄大師

〔創建〕 養老6年 (722)

〔御本尊〕 千手観世音菩薩

〔真言〕 おん ばざら たらま きりく

〔略縁起〕 加賀の白山をも開いた泰澄大師が元正天皇の三十三歳の大厄の病を法力により治したことにより、養老六年(722年)、天皇の勅願として建立された。 泰澄大師が岩間山を訪れた折、山中の桂の大樹より千手陀羅尼を感得し、その桂の木で等身の千手観音像を刻み、元正天皇の御念持仏をその体内に納め祀った。
 ご本尊は、毎夜日没とともに厨子を抜け出て百三十六地獄を駆け巡り、苦しむひとびとを悉く救済し、日の出頃、岩間山へ戻られた時には汗びっしょりになられているので、そのお姿から「汗かき観音」と呼ばれている。 また、泰澄大師が当地に伽藍建立の際、法力で雷を封じ込め、雷を弟子にし、参詣の善男善女には、雷の災いを及ぼさないことを約束させた。 これが「雷除け観音」とよばれる由縁で、毎年四月十七日には、雷除け法要(雷神祭)が奉修され、多くの参詣者で賑わう。 また、当地は開山当初より水の乏しい所であったため、雷は自らの爪で井戸を掘ったという。 「雷神爪堀湧泉」と呼ばれる岩間の霊泉には元正天皇御製の、
         わきいづる 岩間の水は いつまでも つきせぬ法の み仏の影
という歌が伝えられている。
 また、『観音霊験記』によると、江戸時代の俳聖松尾芭蕉は、岩間寺に参籠してご本尊の霊験を得、その俳風を確立したと言われる。 本堂横手には芭蕉が
         古池や 蛙とびこむ 水のおと
を詠んだと伝えられている「芭蕉の池」が残っている。


              本堂                           芭蕉の池











        大師堂                不動堂               稲妻龍王社






      御本尊 (秘仏)      千手観音立像

 金銅造   像高 14.5cm   奈良時代
 秘仏である本尊は、女帝・元正天皇の御念持仏で、御丈四寸八分(約15cm)の三国伝来エンブダゴン(印度エンブ川より採れる砂金)金銅仏千手観音立像で、「汗かき観音」 「雷除け観音」 「厄除け観音」として名高い。
 御前立とはずいぶん雰囲気の異なる小像で、柔和な童子ような表情をしており、千手観音の金銅仏としてほかに類例がない。






納経帳

 〔御墨書〕   「奉拝」
    梵字「キリク」   「大悲殿」
          「岩間寺」

 〔御朱印〕   「西國第十二番」
    蓮華宝珠の中に千手観音の種子「キリク」
          「近江國岩間寺」




千手観音の種子 「キリク」




          水上は  いづくなるらん  岩間寺
                            岸打つ波は  松風の音




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