2012年03月26日

第14番 三井寺


西国三十三ヶ所 第14番札所 三井寺




長等山 (ながらさん)  園城寺 (おんじょうじ)    通称 三井寺 (みいでら)

〔所在地〕 (近江國) 滋賀県大津市園城寺町246

〔宗派〕 天台寺門宗 (総本山)

〔開基〕 大友与多王 (おおとものよたのおおきみ)

〔創建〕 朱鳥元年 (686)

〔本尊〕 如意輪観世音菩薩

〔真言〕 おん はんどま しんだまに じばら うん

〔略縁起〕 壬申の乱(672)で敗れた大友皇子(弘文天皇)の菩提を弔うため、皇子の大友与多王が寺を建立。 朱鳥元年(686)、天武天皇から「園城(おんじょう)」の勅額を賜ったのが創始と伝えられている。 貞観年間(859~877)に智証大師円珍が延暦寺の別院として復興し、東大寺・興福寺・延暦寺と共に本朝四箇大寺の一つに数えられるほどの隆盛を極めた。
 俗に「三井寺」と呼ばれるのは、天智・天武・持統天皇の産湯に用いられた霊泉があり、「御井(みい)の寺」の厳儀・三部潅頂の法水に用いられたことに由来する。 長い歴史の上で、園城寺は再三の兵火にあい焼失するが、豊臣氏や徳川氏の尽力で再興され、現在も国宝・重要文化財・名園など貴重な寺宝を数多く伝えている。
 西国三十三観音霊場第14番札所の観音堂は境内南の高台にあり、元禄2年(1689)の再建。 本尊の如意輪観音坐像(重文)は33年ごとに開扉される秘仏である。


            金堂 (国宝)                  観音堂 (西国観音霊場)











   水観寺(西国薬師霊場)       唐院大師堂(重文)       微妙寺(湖国観音霊場)



   三井の晩鐘(近江八景)          観月舞台              熊野権現社





     御本尊 (秘仏)  如意輪観音坐像 -重文-
 木造   像高 91.6cm  11世紀
 伝説ではこの如意輪観音像は智証大師が感得し、栴檀香木に自刻したという。 智証大師が唐より請来した像だともいう。 慶祚もしくは聖豪の造立とする記録もあるが、詳細は不明である。 一面六臂の如意輪観音坐像で、寄木造、彫眼、漆箔像であり、11世紀の造像と思われる。 寄木造の木寄せは本躰部正中線で左右を矧ぎ、膝前は横材を矧ぎ、頭部は別材で造り、柄で本躰部に深く差し込み、左右の六臂は肩先で矧ぎつけている。 円みのある顔を右に傾け、右手一手の指の甲を頬に当て、右膝を立てる姿は優美で端正である。 頭を飾る大きな透かし彫りの宝冠や瓔珞は後世のもので、流麗な本像には荷が勝ちすぎるようにも思われる。




納経帳

 〔御墨書〕   「奉拝」
          「大悲殿」
          「三井寺」

 〔御朱印〕   「西國十四番」 
      蓮華下に「三井寺」
     宝珠の中に如意輪観音の種子「キリク」
          「長等山三井寺」





如意輪観音の種子 「キリク」




       いで入るや  波間の月を  三井寺の
                           鐘のひびきに  あくる湖



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