2013年03月09日
第8番札所 星の谷観音
坂東三十三ヶ所 第8番札所 星の谷観音
妙法山 (みょうほうさん) 星谷寺 (しょうこくじ) 通称 星の谷観音
〔所在地〕 (相模国) 神奈川県座間市入谷3-3583-1
〔宗派〕 真言宗大覚寺派
〔開基〕 行基菩薩 (ぎょうきぼさつ)
〔創建〕 天平年間 (729~749)
〔御本尊〕 聖観世音菩薩
〔御真言〕 おん あろりきゃ そわか
〔略縁起〕 寺伝によれば、天平年間(729~749)、この地を来錫した行基菩薩が「見不知森(みしらぬもり)」の中の古木の根洞から響く法華経読誦の声を聞いた。 洞内には観音像があり、法華経の読誦はこの観音像によるものであった。 行基菩薩はこの場所に堂を建立し、感得した霊像を安置したのが星谷寺の創建縁起である。
星の谷観音・星谷寺という寺号は、森に湧く清泉が水面に星影を映して暗夜でも白夜のように明るく、「星谷」と呼ばれていた、という伝承に由来する。
鎌倉時代に兵火に遭って堂宇の大半を焼失。 このとき観音堂は被害を免れたものの、その後の野火で全焼してしまう。 ところがこの火事のとき、炎上する観音堂から本尊の観音像が飛び出して、現在の場所に飛来し、光明を放ったという。 星谷寺はこの場所に時の住僧理源によって再建された。
のちに歴代北条氏の篤い保護を受け、江戸期にも徳川家から寺領の寄進を受けた。 享保年間(1716~1736)に大山阿夫利神社への「大山講」が盛んになると、この星谷寺も観音巡礼で大いに賑わった。
御本尊の御影
御住職の法話
幸せとやすらぎを与える 星谷寺前住職 三矢智光
巡拝は古く鎌倉時代に始まるといわれ、昔は順拝、順打ちといって順番どおりに巡って行くのがふつうでした。 交通の発達した今日では、巡拝、逆打ちなどといって順番どおりでない巡り方が多くなりましたが、それは一向にかまわないのです。 観音信仰は、いうなれば現在の幸福、生活の豊かさを与えてくれるものですが、際限なく与えてくれるわけではないのです。
私達は日常生活を営む中で多くの悩みや苦しみを抱えています。 仏教ではこの悩みや苦しみを貪瞋癡(とんじんち)、それを除くことを抜苦(ばつく)といい、観音さまは苦しみを除くため二求(にぐう)という二つの望み、願いごとを与えてくださいます。 この二求は清浄欲(せいじょうよく)という願(がん)(願い)のことで、人の物を盗んでもよいなどという悪い欲望のことではありません。 自分で願をかけると、即身成仏といってこの身のままで仏になる、つまり観音さまと自分が一体になれ、観音さまの作用が自分に出現するわけです。 だからといって、願さえかけるとすぐに叶えられるというのではなく、信仰心を必要とします。 観音信仰をすれば、その功徳により、幸せ、やすらぎが与えられるということです。
当寺は、相模の打止め寺として水子供養、安産祈願、商売繁昌、家内安全、就職祈願などの参詣者が数多く巡拝されています。 千羽鶴をあげる人、般若心経をあげる人もおられ、そうした信仰のあつい人はど、願いも叶い、やすらぎが与えられているのです。
-『板東三十三所観音巡礼』から-
納経帳
〔御墨書〕 「妙法山」
「聖観世音」
「星谷寺」
〔御朱印〕 「坂東八番」
蓮華宝珠に聖観音の種子「サ」
「星谷寺」
聖観音の種子「サ」
障りなす 迷ひの雲を ふき払ひ
月もろともに 拝む星の谷
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